« ただいま~! | トップページ | スカンジナビア旅行記(2) »

スカンジナビア旅行記(1)

 フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマークのスカンジナビアの国々。デンマーク以外のこれらの国々を初めて訪れたのは18年前の夏、新婚旅行のときだった。新婚旅行先にこれらの北の国々を選んだきっかけは学生時代のヨーロッパ貧乏旅行。旅行の最後の地になったのがデンマークのコペンハーゲン。春の初めのこの街は、自分がこれまで抱いていた「北欧」のイメージとちょっと異なり、明るく、開放的な雰囲気に溢れていた。そこが気に入り、「いつかもう一度!」という思いが新婚旅行で実現した。あの時は往復の航空券だけを持って、ほとんど行き当たりばったりに近い旅行で、「ハネムーン」というよりは、学生の貧乏旅行の延長のようだった。とても気ままで楽しい思い出がいっぱいの旅だった。そして18年後、今度は子どもたちを連れ、再び訪れるチャンスに恵まれた。でも、今回は子どもも一緒だから、泊まる所と、長距離移動の交通手段の予約だけはちゃんとして、旅に出た。

 帰国後、まだ数日しか経っていないのに、旅行前半のことはもうだいぶ前のような気がしている。きっとそのままにしておくと本当に忘れそう。毎日書き留めていた旅日記の中から、かいつまんでまとめてることに。

フィンランド
 と書いておいて、最初に訪れたのは・・・チューリッヒ。スイスで、全然北欧じゃない。ヘルシンキに行くのなら、フィンエアーを使うのが早くて便利だけど、フィンエアーだと自分の持っているマイレージカードにマイルが貯まらないし、直行便はちょっとお高い。席があってマイルも貯まって、安いのを・・・と探していたら、スイス・インターナショナル・エアラインズのチューリッヒ経由でヘルシンキへ行く便があったのでこれを利用することに。ただ、チューリッヒ到着当日にヘルシンキ行きの便がなく、一泊することに。私自身スイスは4回目だけどチューリッヒ空港から外へ出るのは初めて。だから、それはそれで良かった。そんなわけでチューリッヒ滞在も楽しみだった。でも、期待に反して街は雑然としていて・・・疲れていたせいかあまり楽しめなかった。街の中心を流れる川の水がグリーンで美しいなぁ~と思ったくらい。あと、レストランで頼んだマスのフライが想定外の大きさで、かつ美味しかった。ちゃんと骨も取って食べやすくしてくれたし(^^)・・・って、実はそれなりに楽しんでたりする。

 翌朝ヘルシンキへ向けてチューリッヒを経つ。3時間弱のフライト。到着してホテルにチェックイン後、早速トラム(路面電車)に乗って夕食を食べに出る。停留所はホテルの前。お~、これは便利だ。目指すレストランの最寄り駅を路線図から探すと、ここから一本で行けることが判明。乗り方は飛行機の中で読んでいた女優の片桐はいりさん著の「私のマトカ」で予習しておいた通り、運転手さんに直接運賃を払って乗った。片桐さんのこの本は、彼女が「かもめ食堂」というオール・ヘルシンキ・ロケの映画に出演した際の、ひと月に及ぶヘルシンキ生活などが書かれた楽しいエッセイ。僅か数日滞在の旅行者の私にも何かヒントがあるかな?と、飛行機の中で読んでいた。自分のヘルシンキ体験と並行させながら少しずつ読もうと思っていたのに、あんまり面白くて、往きの飛行機の中で一気に読んでしまった。勢い余って2回読んでしまった。さて、目的のお店に着いて、私が頼んだのは名物だというバルト海ニシンのフライ。夫や娘達もそれぞれ好みのものを各自一皿ずつつ頼んだ。ニシンは1匹はちょっと短いシシャモ程度の大きさだけど、それがなんと20匹くらい井桁型にお皿の上に積まれている。付け合せは山盛りマッシュポテトとビーツ。忘れてた、ここは外国だ。我々小さな大和民族向けの量ではない・・・けど全部食べた!ポテトもクリームが加えてあるのか、とてもコクがある。高カロリー好きの私にはこたえられない。すっかり満腹になった私たちは腹ごなしも兼ね、海辺のカイヴォプイスト公園からマーケット広場、大聖堂まで散策して帰る。部屋に着いたら夜の10時半。でも夕方のように明るい。こうして初日の明るい夜が暮れた。

 2日目 ホテルの前の公園を散歩しながらシベリウス公園まで歩く。途中、道に迷いつつもなんとか辿り着いた。前に来た時は閑散としていた公園も、人でいっぱい。夏休みだからね。その後、路線バスで、セウラサーリ野外博物館へ。小さな島全体が博物館で、フィンランド各地の古い家屋や教会が移築、展示されている。とても静かでのどかな園内には野生のリスもいた。そういえばホテル近くの公園ではウサギがいたっけ。帰りも路線バスに乗ったら終点まで乗ってしまい、見当違いの場所に到着。結局そこからタクシーに乗って戻る。トホホ・・・。

 3日目 トラムに乗って、港のマーケット広場へ。みやげ物から食品まで様々な出店が出ていてとっても賑やか。中でも色鮮やかな果物や野菜が一際目をひく。ラズベリーとえんどう豆を1リットルずつ(1リットルのバケツで量り売りしている)買い、スオメリンナ島へ船で向かう。港の南沖合いにあり、20分ほどで到着する小さな島は、要塞として利用されていた、フィンランドのかつての軍事拠点。今もその名残で石垣や大砲など見られる。世界遺産にも登録されている。今はビジターセンターや土産物屋もあり、人々は平和に観光している。そんな当時の緊張感漂う雰囲気も思い描きながら島内を散策。お昼はこの島で造られている地ビール「パニモ」とえんどう豆とラズベリーを食べた。生のえんどう豆は初めて。こちらではポピュラーな「おやつ」の様子。歩きながら食べている人もいる。生のえんどうは甘みがあり、意外とおいしい。僅かに感じられる青っぽい苦味も、ビールと一緒だと旨みに変わり、ついつい後を引いてしまう。ちょっとハマったね、これは。

 4日目 ヘルシンキ最終日。荷物を中央駅で預け、鉄道でハメーンリンナへ向かう。そこから車でアウランコ国立公園へ。湖沼地帯にある美しい森を散策。18年前も、ただただひたすら歩いたっけ、いろいろんな話をしながら。森の中を延々と歩いただけなのに、とても印象に残っている。ここに子どもを連れて再び来られるとは思わなかった!いろいろなベリーが実っている。マンガに出てくるような面白いキノコも沢山生えている。苔もきれい。リスもいる。目に入るもの全てが本当に美しい。心が洗われるよう。だから、ただ歩いているだけでも全然退屈じゃないんだ~!と感動していたら、携帯にメールが入る。森は変わらないけど時代は変わった~^^;。ヘルシンキへ戻り、荷物を受け取り、次の街トゥルクへ鉄道で向かう。電車が混んでいるようなので、トゥルク行きは急遽座席指定券を買った。正解だった。家族連れ満載だ。しかも小さい子ばかりで、方々で奇声や泣き声が。トゥルクでは「赤ちゃん大会」でもあるのかな?

 5日目 バスでナーンタリの「ムーミン・ワールド」へ。車内は小さな子ども連れの家族で超満員。電車も、ホテルも「赤ちゃん大会」の様相を呈していたのは、みんな「ムーミン」目当てなのかも。このちびっ子満載のバス、冷房がない様子で、かなり蒸し暑い。やっぱりここでも「大合唱」。さすがにもう、うちの娘達は泣いたりしないので、他人事なのだけど、親はタイヘンそう。30分ほどで「ムーミン」到着。橋を渡った向こうの小さな島が「ムーミン谷」。物語に出てくるムーミンの家やスナフキンのキャンプなどなど、物語の世界が再現されている。もちろん、中にも入ることが出来る。劇場では、ショーをやっていた。キャラクター達も園内をうろうろしているので、気軽に写真を撮ったり、握手もできる。人気キャラと写真を撮るのはTDRより容易いかも。次女もミィ(コスプレのおねえさんぽい)とのツーショットを撮った。ここには「ムーミン・ザ・ライド」的な大掛かりなアトラクションはない。自分もムーミンの物語の登場人物になった気分で楽しむのが正解。園内の郵便局から絵はがきを出す。切手と消印がムーミンなのがニクイ。ムーミンのあとは、バスの時間まで、ナーンタリの街を散歩してみる。パステルカラーの可愛い家が並ぶ、小さな街。海に面したカフェで、ビールを飲む。暑くてのどがカラカラだったのでとても美味しかった。ところで、フィンランドにいたこの数日、毎日快晴で、気温も30℃近くあり暑かった。アウランコで散策した時など、あまりに暑くて、タンクトップを着ていた。おかげですっかり日焼けした。せっかく暑さから逃れて来たのにと、ガッカリもしたけど、カラッとしていて不快な暑さではない。さてさて、暑いついでに、トゥルクに戻って、汗をかきかき坂道を登り、ルオスタリンマキ野外手工芸博物館を覗く。19世紀頃の古い建物を移築した博物館で、ヘルシンキのセウラサーリと似ている。この日は夜9時出港のシリヤラインの「シリヤ・ヨーロッパ号」でスウェーデンの首都、ストックホルムへ向かう。

 「シリヤライン」には18年前の新婚旅行でもトゥルク~ストックホルム間で乗船している。あの頃は確か運賃はユーレイルパスを持っていれば払わなくてもOKか、払っても何割かで乗れた。キャビンを使わなければ安く海を渡れた。でも、学生時代の旅行で、アムステルダムからコペンハーゲンへ向かう夜行列車を利用した際、海を渡るために電車ごとフェリーに乗り込んだ。せっかくの船だから、ちょっと船内を探検しようと出てみると、各所で酔っ払いが大騒ぎしていて、あろうことか、そこらでもんじゃ焼き^^;をこしらえている輩までいて、とってもイヤな思いをした経験がある。違う航路とは言え、新婚旅行の時は差額を払ってでもキャビンを使いたかった。鍵のかかるドアさえあれば、どんな部屋でもいいとチケットを買いに行くと、安いところは完売で、なんと一番高い「エグゼクティブ何とか」というキャビンしか残ってないと言われ、そこに泊まる事に。出費は痛かったけど、今思うと、あの時が一番「ハネムーン」らしい場面だった。キャビンは広く、大きな窓があり、ベッドとソファーが別々で、テーブルの上には果物に飲み物にチョコレート。そして船長からのメッセージ。おかげでシリヤラインの想い出は「優雅な船旅」というイメージだったのだけど・・・今回はとにかくもの凄い人の数でフェリーターミナルは大混雑。まるで盆暮れの帰省ラッシュのよう。しかもいろんな色の肌の、いろんな顔をした人々がワァッと集まり、船に乗り込む様はまさに「民族大移動」。そんな混乱の中、やっとこさキャビンに辿り着く。ドアを開けると思わず「狭っ!」。細長い窓をはさみ両サイドの壁に2段ベッドがへばりついている。大きなトランクを持ち込むと身動きもとりづらい。新婚旅行の時とは大違いだけど、でも、トイレ・シャワーもあり、寝る場所もしっかり確保されているのだから御の字。

 この一晩の船旅で私たちが楽しみにしていたのは、レストランでの「スモーガスボード」。いわゆるバイキング。酢漬けニシン、サーモン、えび、ミートボール、デザート各種など、様々な豪華料理が好きなだけ食べられる。夫が予約に行っている間、私たち女性軍は「勝負服」に着替える。私たちの「勝負服」とは・・・男性の目をクギ付けにし、虜する服ではなく、お腹の底から湧き起こる旺盛な食欲を邪魔しないデザインでありながら、「レストラン」という場に相応しい程良いドレスアップ感を兼ね備えた服(^^)。「今日は楽しい~、今日は楽しい~、バ~イ・キ・ン・グゥ~♪」と、サザエさんのエンディングテーマの節で歌いながらメイクをしていると、夫が疲れきって戻ってきた。どエライ混乱ぶりだった様子。この日のレストランはとにかく大混雑で、団体さんも沢山入っていて、早い時間が取れなかった。そんなわけで我々のディナー開始時刻はなんと11時30分、昼じゃなくて夜の!高まりつつあったボルテージが一気にダウン。とは言え、あと2時間近くをこの狭いキャビンで過ごすのも気が滅入るので、もう一度普通の服に着替えて、船内をうろつくことに。デッキに出ると風が気持ちいい。まるで湖のような穏やかな水面を滑らかに進む。9時を回っているのに空は夕暮れ時のような明るさ。デッキチェアに座り、飲み物を飲んだり、免税店を覗いたり、そうこうしているうちに予約の時間に。着替え直していざレストランへ。ニシン、サーモン、エビなど、「要」のものはとりあえずあるにはあるけど、なんだかパッとしない。昔のほうがバラエティ豊富だったような気がする。まずはセオリー通り、ニシンの酢漬けから始め、冷たいシーフード~冷たい肉料理と進める。が、周りを見ると、サーモンやエビばかり一皿にてんこ盛している。ちょっとあれはどうなのぉ~?って気もしなくもないけど。でも、「遅い時間で、沢山食べられるかなぁ~?」なんて言っていたのに、結局はみんなモリモリ食べた。こうして、フィンランド最後の夜が暮れた。

|

« ただいま~! | トップページ | スカンジナビア旅行記(2) »

旅行」カテゴリの記事

コメント

待ってました~!!一気に読んじゃいましたよぉ。写真は無いのかな?っておねだりしたりして・・・。
>新婚旅行で
ロマンチックですね~。私もいつか新婚旅行で行った地に、子供達を連れて行きたいです。
>かもめ食堂
私もとっても興味あります。本も面白いのね。いつか読んでみましょう。
はるなさんの旅行記を読んでいると、私も北欧に行きたくなりました。
妖精の住む国っていうイメージがあって、なんだかフルートにぴったり!

お魚・・・はいいとして、主食がポテトっていうのが、私に我慢できるかなぁ・・・。出張でヨーロッパに行っていた主人は「辛いぞ~」って言ってました^^;
特にグルメではないのですが。

投稿: タリア | 2007/08/31 11:41

タリアさん、コメントありがとうございます♪

北欧には「北欧神話」やトロールの出てくる民話、「ムーミン」のような童話など、様々な物語などから神秘的なイメージもありますよね。フィヨルドを見に行った時など、岩かげから妖精がひょこっと顔を出し、フルートとか吹いていても不思議ではないような感じもしましたよ~。

「かもめ食堂」、私も本もDVDも見たいなぁ~と思いつつまだです。2学期が始まり、落ち着いたら・・・なんて思ってます。

私はお芋でもパンでも、食べられれば幸せなのでOKでしたが、タリアさんは和食党ですか?

それから写真ですが、ちょっと見つけにくかったかもしれませんね。ごめんなさい。
ページ左のに表示されている「マイフォト」から各アルバムへアクセス可なので、ご覧になりたいアルバムの小さな画像かタイトル名をクリックしてみてね!ヨロシク~☆

投稿: はるな | 2007/08/31 15:41

こんにちは。遅いコメント失礼します。
北欧旅行記と写真読ませていただきました。20日間の旅、しかも北欧だとなかなか行けませんよね。いい家族旅行の思い出になりますよね。
フィンランドは一度行ってみたいと思う国です。やはり「ムーミン」の影響が大きいかと…。小学校三年のときムーミンの訳本8冊全部図書館で借りて一気読みしたのを思い出しました(当時は文庫本化されてなくて値段も高いから親にも買ってくれとは言えなかった…数年前やっと文庫本で全部買いました^^;)。アニメとは違う表現にびっくりしながら何度か読みました。「地ボタル」も見てみたい、訳本の中に出ている風景も見てみたい、そんな思いがありました。その景色が写真で見られるだけでもうれしかったりします。ありがとうございます。

投稿: タピアン | 2007/09/23 17:02

タピアンさん、こんにちは♪

今回の旅行は本当に、特に子ども達にはいい想い出になると思います。「モノ」は壊れたり、盗まれたり、災害に遭ったりすればなくなってしまいますが、「想い出」は本人が死ぬまでずっと心の中にあって、壊れないし、誰にも盗まれないし、消えてなくならないですよね。そんな機会を子ども達に与えられて、本当に良かったと思っています。

タピアンさんはムーミン好きなのですね。私自身、お恥ずかしいのですが、「ムーミン」には詳しくありません。子どもの頃TVアニメで見たり、大人になってから、1冊だけ(「ムーミン谷の夏祭り」)を読んだ程度です。私は子どもに本を与える前に、必ず自分でも読んでみるのですが、これもそんな折に読んだのでした。確かに、本はアニメとは違いますよね。本の方は内容も哲学的な雰囲気で、絵も作者のトーベ・ヤンソンさんが描いたものだから、やや暗い感じもあるももの、より味わいがありますね。やっぱりアニメの方はちょっと子どもっぽいかなぁ^^;。

そんなムーミンへの思いを持って写真を見てもらえて、喜んでもらえたようで、私もうれしいです。コメント、ありがとうございました。それから、私もこの機会にムーミンを読んでみようかなと思いました。読書の秋ですしね☆

投稿: はるな | 2007/09/23 23:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ただいま~! | トップページ | スカンジナビア旅行記(2) »